朝玄関で子どもを見送るとき、わたしはいつも 「もう二度と会えないかもしれない」と思います。
交差点でトラックにひかれるかもしれない。誘拐されるかもしれない。 でも、わたしには何もできない。 命が無事だとしても、友だちにいじめられることもある。何気ない言葉に深く傷ついたり、自信を失うこともある。どんなに助けてあげたくても、わたしは家で待つことしかできない。
だからせめて、お守りを持たせてあげたい。魔法の呪文をかけてあげたい。 それがわたしにとっての「朝ごはん」です。 朝食は、明け方に下がった体温を上昇させて、眠った体を目覚めさせる働きがあります。朝食で摂ったエネルギーは、午前中の活動の原動力になります。でも、それだけではありません。
わたしが子どもの頃、母はいつもテストの日の朝に、甘いものを出してくれました。 黒砂糖のあんのお饅頭。蒸しパンで作ったフレンチトースト。 「糖分は頭の働きをよくするから」が母の口癖でしたが、それで100点が取れるわけではありません。 でも、そんな母の思いがうれしくて学校へ向かう足取りが軽くなったことを覚えています。 4月は新学期の季節。慣れない環境で不安を抱えた子どもには、優しい甘さのスープはいかが? 子どもが大好きなゆで卵は、殺菌力のある中国茶が隠し味。おなかと心が満たされたら「不安はあるけどがんばろう」と思ってくれるかも。 体がシャキッと目覚めたら、反射神経が研ぎ澄まされて危険を察知できるかも!? そんな祈りを込めて、今朝も「いってらっしゃい!」。
どこの家にも必ずある野菜、それがにんじん、玉ねぎ、じゃがいも。 カレーにもシチューにも肉じゃがにも欠かせない3人組は、もはや日本の家庭の定番野菜と言えそうです。 いつだっておいしいということは、いつだって体に優しいってこと。 不安を抱えたときや体調の悪いときは、こんな定番野菜で体を安心させてあげましょう。 それに、一年中出回っているとはいえ、いちばんおいしいのは春。 たっぷりの水分と深い甘みがあるので、味つけは塩だけで十分です。 今だけのおいしさをぜひ朝食で。
材料(4人分) じゃがいも、にんじん、玉ねぎ 各1個(本) ちりめんじゃこ 15g 塩 小さじ1⁄2 酒 大さじ2 水 4カップ サラダ油 大さじ1
作り方 1 じゃがいも、にんじん、玉ねぎの皮をむき、1cm角に切る。 2 なべにサラダ油とじゃこを入れていため、香りが出たら酒を入れる。先に玉ねぎを加えていため、次に残りの1を入れていため合わせる。 3 水を加え、煮立ったら弱火にし、蓋をして7〜8分煮込み、塩で調味する。
材料(4人分)&作り方 1 卵6〜8個は水から10分間ゆでてかたゆでにし、冷水につける。 2 殻にひびを入れ、容器に並べる。 3 なべに中国茶5gと水1カップを入れて火にかけ、沸騰したら火を止めて蓋をし、5分おく。 4 しょうゆ大さじ4、酒大さじ2、酢大さじ1を加えて再び火にかけ、煮立ったら2に注いで一晩漬ける。食べる直前に殻をむく。
1963年北京生まれ。北京師範大学を卒業後、1990年来日。現在料理研究家として雑誌やテレビなどで大活躍。家庭では小学生と中学生の子どもを持つ、明るくたくましいお母さんでもあります。
さらに詳しい内容を、本誌(2007年4月号)15Pでご紹介しています。ぜひご覧下さい。
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