もともと、幼稚園は教育のための施設で、保育園は福祉のための施設。違う目的のために作られたものです。でも、最近では少子化で幼稚園児が減る一方、働く女性の増加により、保育園への入園を待つ待機児童があふれています。そのため多くの幼稚園で、時間外の「預かり保育」が行われ、また保育園でも幼児教育に力を入れるなど、垣根はあいまいに。  
 そこで政府は、幼稚園と保育園を一元化した施設を来年度からスタートさせることを決定。具体的にはどんな影響があるのか、奈良女子大学の中山徹先生にうかがいました。
 「実は、まだくわしい規定はできていないのです。とはいえ、まず待機児童が減りますし、専業主婦のお母さんも育児で最もたいへんな0〜2才のとき、自分の時間を持てるなど、よい点がたくさんあります」
 気になる点もあります。いままで保育園の保育料は、各自治体の基準にもとづき収入が多い人は高く、収入が少ない人は安い仕組みでしたが、幼稚園のように各施設が決める一律額になる可能性があり、すると設備や教育内容にも、施設による差が大きくなるかもしれません。
 「給食室などの設備や職員の数は、現在は保育園の基準のほうがハードルが高いといえるのですが、一元化のときに幼稚園の基準に合わせるようなことになれば、いままでより手薄になる可能性もあります」
 長時間いる子ども(いわば「保育園系」)と短時間の子ども(いわば「幼稚園系」)で、カリキュラムに大きな差が出ないようにするなどの配慮は、現場での工夫にかかることに。
 家庭の事情と子どもに合った施設を実際に足を運んで選ぶことはもちろん、保護者会や行事に積極的に参加して、子どもたちによりよい環境を自分たちでつくっていく心構えがいっそう必要になりそうですね。

 
 
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