2008.5月号掲載
春の健康診断のシーズン。みなさんはどうしていますか? 今月は卵巣餒腫について。ほとんどは良性ですが大きさによっては手術になることも。様子をみる場合も、定期的な健診が必要になってきます。
女性の体の悩みについて、年齢を問わず、野末先生がやさしくお答えします。下記の番号で相談を受け付けますのでご利用ください。ただし電話での相談のおりには、必ず親機をご使用ください。携帯電話や子機からの通話はご遠慮願います。また、相談はもちろん、記事に関する疑問や、日ごろ感じている素朴な疑問なども、編集部あてのお手紙、ファクス(03-5280-7431)で受け付けます。相談に対する回答は本誌上でのみ。お一人お一人へのお答えはできませんので、ご了承ください。

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女性のからのだの悩みについて、年齢を問わず野末先生がやさしくお答えします。左の番号で相談を受け付けますので、悩みのある人はご利用下さい。ただし、携帯電話、固定電話子機からの通話は御遠慮願います。
※婦人科以外のご相談はご遠慮ください。また、相談日は電話がかかりにくいことがありますので、ご了承ください。
 
卵巣餒腫は、妊娠前に取っておいたほうがいいですか?
相談者 Sさん(29才・主婦歴4年/栃木県)
Sさん:
右の卵巣に卵巣餒腫があるとわかりました。2人目の子どもが欲しいのですが、妊娠前に手術をして取っておいたほうがいいか迷っています。
野末先生:
卵巣餒腫は、卵巣にできる、いわゆるできもの≠ナす。ほとんどが良性ですが、超音波検査などで、悪性ではないかどうか調べましたか?
Sさん:
はい。なかに液体がたまっているそうで、良性の卵巣餒腫と言われました。
野末先生:
餒腫の袋のなかに液体がたまっているものは、しょう液性餒胞腺腫と呼ばれ、卵巣餒腫のなかで一番多いタイプです。そのほか、袋のなかに脂肪や毛髪、歯や骨などが含まれる皮様餒胞腫や、ネバネバした液体がたまる粘液性餒胞腫などがあります。良性の場合も、大きさによっては手術で取ることになりますが、大きさはどのくらいですか?
Sさん:
約4cm大とのことで、主治医は、取らなくてもいいと言っています。
野末先生:
そうですね。一般に手術の対象になるのは、若い方では7cmを超えたものですから。ただ、100%良性だと言い切れない場合もあるので、がんを多く扱っている医師のなかには、4cmでも取るという人もいます。おどかすわけではありませんが、卵巣がんというのは、症状が出にくくわかりにくい病気であるため、取っておいたほうが安心と判断するのでしょう。
Sさん:
卵巣餒腫から卵巣がんになることもあるのですか?
野末先生:
卵巣餒腫の種類によっては、まれですが、悪性のものもあります。ですから、卵巣餒腫のある人は定期的な検診を受けることが大切です。急に大きくなった場合は、要注意ですね。また、卵巣は、子宮のように外から組織を取って調べるということができません。たいていは、超音波検査やMRI検査、腫瘍マーカーなどで予測がついていますが、手術をして実際にみるまでは、安心できないという面もありますね。卵巣の大きさによっては、妊娠中に茎捻転を起こすことも心配です。
Sさん:
茎捻転というのは、どういうものですか?
野末先生:
卵巣餒腫の根元の部分が、なにかの拍子にねじられることを茎捻転と言います。これが起きると、下腹部に激痛が走り、ショック状態におちいって、緊急手術になる場合もあります。
Sさん:
そうすると、取っておいたほうがいいですか?
野末先生:
取っておけば、確かに妊娠中のトラブルを心配することはないでしょう。しかし、その大きさであれば、そのまま様子をみて、もし出産が帝王切開となった場合には、その際に、いっしょに取ることもできますよ。
Sさん:
卵巣を取って、妊娠やその後の体に影響は出ませんか?
野末先生:
良性とわかっていて、今後妊娠を望む人には、餒腫部分だけを取り、卵巣の他の部分は残す手術を行います。また、たとえ一方の卵巣を取ったとしても、もう片方が残っていれば、卵巣はきちんと働きますから、妊娠や出産も可能ですよ。卵巣餒腫の手術は、最近は体への負担が少ない腹腔鏡手術が多くなっています。家族の方ともよく相談してみてください。
Sさん:
わかりました。ありがとうございました。
野末先生:
おだいじになさってください。
体への負担が少ない
腹腔鏡手術
 婦人科でも最近は、おなかを開けて行う開腹手術にかわり、内視鏡(ファイバースコープ)の一種の腹腔鏡を使った手術が増えています。子宮内膜症の検査を兼ねて行う場合や、子宮筋腫、卵巣餒腫の手術などにも、腹腔鏡手術が行われるようになってきました。

  手術では、おなかに小さな穴を開け、そこから先端にレンズのついた腹腔鏡と手術の器具を挿入します。おなかのなかの様子をモニターで確認しながら、患部を切除するなどの治療を行います。開腹とちがい、おなかに小さな穴を開けるだけなので、体の負担が少なく、入院しても2、3日ですみます。

  ただし、腹腔鏡手術を行うには、専門的な技術が必要ですから、設備の整った、技術力のある病院で受けることが大切です。
 今月のその他の質問
デリケートゾーンのかゆみ

デリケートゾーンにくり返しかゆみが出て処方されたカンジダの薬も効かないので、受診したら乾燥症とのこと。
何か、対策は?
相談者K・Nさん(32才・主婦歴4年/静岡県)
乾燥肌用クリームや弱酸性石けんなどでふだんから乾燥対策を心がけましょう

 乾燥していると、かゆみが出やすくなります。ふだんから、乾燥予防に注意しましょう。最近は、全身用の乾燥対策クリーム以外に、デリケートゾーン用も市販されています。入浴時も、石けんでごしごし洗うのではなく、お湯だけで流すようにしましょう。石けんを使うのであれば、ふつうのものはアルカリ性で刺激が強いので避け、弱酸性のタイプに。生理時も、ナプキンはむれて、かゆみを引き起こすこともあるので、タンポンの使用がおすすめです。下着も、通気性のよい素材を選び、清潔を保つようにしましょう。

  なお、カンジダ膣炎は、カビの一種のカンジダ菌が原因で起きる炎症です。かゆみのほか、白いカッテージチーズ状のおりものなどの症状がみられます。ただ、風邪で体調が弱ったときなど、くり返し出てくることがあるので、ふだんから、疲れをためないよう心がけることが大切です。また、糖尿病やHIV感染症など全身的な病気がある場合や、膀胱炎などで抗生物質をくり返し使っていると発症しやすくなるので要注意です。
ピル

コンドームだけの避妊では心配なので、ピルを使おうか迷っています。
相談者 S・Hさん(34才・主婦歴6年/埼玉県)
医師の処方が必要ですが、ピルの避妊効果はほぼ100%です
 
 ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンを使って、排卵を抑制して妊娠しないようにする薬です。現在、経口避妊薬として使われているピルは、ホルモンの量が少ない低用量ピルが主流で、毎日忘れずに飲めば、避妊率はほぼ100%。ただ、日本では医師の処方が必要なうえ、今のところ保険もききませんから、1カ月約2500〜3000円かかります。

  ピルの副作用を心配する人もいますが、吐き気や乳房の張りなどは、飲み始めの1〜2カ月はみられても、体が慣れてくると、たいてい自然に消えていきます。しかし、血栓症が心配なので、家族に心筋梗塞や脳梗塞を起こした人のいる場合や、35才以上でタバコを吸う人などは使えません。また、乳がんや子宮がんにかかっている人、肝臓などの病気がある人、高血圧の人なども医師との相談が必要です。
 
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