2008.2月号掲載
今月とり上げた「子宮内膜症」は若い女性にも増えている病気。晩婚化や少子化なども影響している
そうです。今回はその治療法についてお伝えします。
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治療で使ったホルモン剤の副作用で更年期のような症状が出てきました。
手術にも抵抗があるし・・・

相談者 Nさん(34才・主婦歴5年/岩手県)
Nさん:
若いときから子宮内膜症で、治療の末、やっと出産できました。
野末先生:
 それは、よかった、おめでとうございます。妊娠は内膜症の治療にもつながりますからね。
  本来は、子宮の内側をおおっている子宮内膜が、子宮以外の場所に飛んで、そこで増殖を繰り返すのが、子宮内膜症です。ところが、本来の場所の子宮内ではないため、内膜組織は月経血となって体外に出ることができません。出口がないわけです。そこで、外に出られずに、たまった血液が嚢腫[のうしゅ]や血腫となって、周囲の臓器と癒着したり、破れたりして、痛みを生じることになります。
  ところが、妊娠すると、産後しばらくの間まで、月経は止まります。月経がストップしていれば、子宮内膜の増殖もありません。ですから、内膜症にとって、妊娠は治療にもなるのですね。
Nさん:
しかし産後、また内膜症に悩まされるようになりました。しばらくホルモン剤を使ってみたのですが、
今度は更年期のような症状が出て困っています。
野末先生:
内膜症の治療は、大きく分けると、薬物療法と手術による治療法とがあります。薬による治療で代表的なものは、ホルモン剤を使って人工的に月経のない状態にする方法で、Gn-RHアゴニストというホルモン剤を用いた偽閉経療法です。ただ、この方法は、一時的とはいえ閉経状態にするので、更年期の症状が出る場合があります。そのため、4〜6カ月をワンクールとして、治療後半年は休むようにしています。
Nさん:
私も、スプレキュアの点鼻薬を使ってみたのですが、痛みはさほど軽くなりませんでした。それどころか、ほてりや発汗、イライラなどの更年期症状が出てきて困りました。止めてしばらくしたら、症状も消えましたが…… 薬ではなかなか良くならないので、手術も考えてみてはといわれていますが、手術には抵抗があります。
野末先生:
そうですね。内膜症の場合、根治手術をしないと再発の可能性は残りますからね。
Nさん:
根治手術とはどういうものですか?
野末先生:
子宮と卵巣を2つともとる手術です。そうすれば、月経も起きませんから、内膜症のつらい症状もなくなるでしょう。しかし、この方法はよほど症状がひどい人でない限り、めったに行われません。更年期がずっと早く来て、骨粗しょう症などにかかりやすくなることが心配されるからです。そこで、手術といってもたいていは、子宮は残して卵巣を1つだけとるか、子宮はとっても片方の卵巣は残すようにします。しかし、卵巣を残すということは、再発の可能性も残すことになります。また、診断を兼ねた腹腔鏡手術で、一部の病変であれば摘出も可能です。腹腔鏡の検査で病巣を確定するとしても、薬でコントロールしていく方法をもう少し検討してみてはどうですか?
Nさん:
スプレキュアを使った方法以外に、薬物療法にはどのようなものが?
野末先生:
すぐに妊娠をしたいということでなければ、ピルを使ってみてはどうでしょう。ピルといっても低用量ピルですが、これに漢方薬を組み合わせ、さらに鎮痛剤も併用してコントロールしてみる方法があります。
Nさん:
漢方薬にも内膜症に効くものがあるんですね。
野末先生:
月経痛など症状を緩和するのに、漢方薬が効き目を発揮することがあります。ただ、漢方を処方するところは限られているので、主治医に一度相談してみましょう。漢方薬は扱っていないという場合は、もよりの保健センターに電話して、漢方に詳しい先生を教えてください、と尋ねれば、保健師がきっと紹介してくれるでしょう。
Nさん:
わかりました。どうもありがとうございました。
野末先生:
どうぞおだいじになさってくださいね。
避妊だけでなく治療にも有効
低用量ピル
 経口避妊薬。ピルには、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類の女性ホルモンが含まれており、排卵を抑える作用があります。含まれるホルモン量で中用量ピルもありますが、低用量ピルはホルモン量が少なく、世界中で避妊薬として使われているのは、このタイプです。低用量ピルは、避妊薬としてだけではなく、月経痛や月経不順などの治療にも有効です。また、子宮筋腫や子宮内膜症の治療に使われることもあります。ただし、喫煙者や血栓症のリスクの高い人など、ピルが使えない場合もあるので、医師と相談のうえ使用を考えましょう。また、市販はされておらず、求めるには医師の処方が必要です。
 今月のその他の質問
かぶれ

皮膚が敏感肌のせいか月経のたびにデリケートゾーンがかぶれて困っています
相談者 A・Mさん(33才・主婦歴7年/静岡県)
ナプキンをタンポンに変えてみたり、石けんも弱酸性のものにするなど
日頃からのケアを大切に


 皮膚が敏感な人は、月経血でデリケートゾーンが刺激され、かぶれてしまうことがあります。普通肌の人でも、月経時は頻繁にナプキンを交換しないと、月経血に雑菌が繁殖して、かぶれる場合がみられます。

  このようなときは、ナプキンを、まずはタンポンに変えてみることをすすめます。タンポンは、膣の中で月経血を吸収するので、デリケートゾーンのジトジト感を解消し、かぶれやすくなるのを防ぎます。月経時の下着も素材など、通気性の良いものを選ぶことが大切ですね。

  また、皮膚が弱い人はふだんから、デリケートゾーンを石けんでゴシゴシ洗うのは避けたいもの。普通の石けんはアルカリ性のため、かぶれているとしみます。かぶれているときは、お湯で流すだけでいいのですが、石けんを使うのならば、弱酸性タイプを。かぶれ対策には、市販薬の塗り薬も有効です。

  ただし、月経時に限らず、かぶれに加えて、かゆみがあったり、おりものの色がいつもと違うような場合は、膣炎や性感染症も心配です。一度婦人科で相談してみてください。
月経不順

ここ半年間、月経の間隔が2カ月や1カ月半と不順で、来ても量が多く気になります
相談者 T・Kさん(29才・主婦歴4年/愛知県)
ストレスの影響かも。基礎体温表をつけておくと体調管理に役立ちますよ
 
 最近、職場の人間関係で悩んでいるとのことですが、それが月経不順に関係しているのかもしれませんね。月経周期をつかさどる脳の司令塔は、ストレスの影響を受けやすいところにあるので、職場などでのストレスが月経周期に影響を与えている可能性はあります。日頃から、就寝前の入浴などで、リラックスを心がけるようにしましょう。

  また、基礎体温をつけておくと、月経が遅れたり、早くなったとき、それがホルモン分泌のアンバランスか、病気によるものかなど、原因を知る手がかりになります。ぜひ、基礎体温の記録を習慣づけてください。

  ただし、月経の量が多いというのが気になります。子宮筋腫など病気の可能性もあるので、婦人科で一度調べてみることをすすめます。その際、基礎体温表も持参すると、大事な手がかりとなりますよ。
 
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