2007.3月号掲載
乳がんは、ほかのがんと違い、唯一自分でチェックできるがんです。今回は病院での検査方法と自己チェックの方法を紹介します。ぜひ毎月一度のあなたの習慣にして!
女性の体の悩みについて、年齢を問わず、野末先生がやさしくお答えします。下記の番号で相談を受け付けますのでご利用ください。ただし電話での相談のおりには、必ず親機をご使用ください。携帯電話や子機からの通話はご遠慮願います。また、相談はもちろん、記事に関する疑問や、日ごろ感じている素朴な疑問なども、編集部あてのお手紙、ファクス(03-5280-7431)で受け付けます。相談に対する回答は本誌上でのみ。お一人お一人へのお答えはできませんので、ご了承ください。

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乳がん検診
自己でチェックできる方法があるとか。どういうものですか?
相談者 Mさん(32才・主婦歴2年/大阪府)
Mさん:
先日、会社の定期健診で、はじめてマンモグラフィを受けました
野末先生:
乳がんの検査には、外から乳房の形や状態を見る視診、触って調べる触診、超音波検査などがあり、マンモグラフィは乳房のX線検査ですね。乳がんの早期発見には、ぜひ受けていただきたい検査方法なので、もっとマンモグラフィを普及させるよう、私たちも自治体などに要請しているところです。どうでした?
Mさん:
レントゲンを撮るとき、器械でおっぱいをはさむので、それがちょっと痛かったですね。で、検査の際に、「いくつか石灰化が見られるけれど、大丈夫、心配ないものです」と言われたのですが、やはり気になります。
野末先生:
そうですね。マンモグラフィでは乳房をはさんでレントゲン撮影をするので、痛いという方はいらっしゃいますね。ただ、あなたのように、お子さんを生んで、授乳経験のある人は、おっぱいが柔らかくなって伸びますから、さほど痛みは感じないようですね。
長い歴史の中で、お乳はいろいろに変化をします。がん以外にも良性の嚢胞や腺腫などでも石灰化は見られることがあります。パラパラとちらばってあるようなものなら、まず心配ないでしょう。
Mさん:
「石灰化」ってなんですか? 乳がんになると見られると本に書いてあったのですが……
野末先生:
石灰化とは、良性の場合にもよく見られるものですが、がん細胞が乳管の中で生まれ増殖していくときに、分泌物や死んだがん細胞などが固まって小さな石のようになったものをいいます。マンモグラフィで、乳がん初期にも見られることがあるため、それであなたも心配されたのでしょう。でも、乳がんの石灰化の場合は、かたちや分布で区別がつくことが多いものです。
Mさん:
ホッとしました。でもこれからは、自分でも気にしていこうと思っています。それで、自分で乳がんをチェックできる方法があると聞いたのですが、教えていただけますか。
野末先生:
はい、いいですよ。乳がんは自分で見つけることができる、唯一のがんですから、ぜひ自己チェックを習慣づけてほしいものですね。まずは、入浴時にでも、鏡の前で自分のおっぱいをしっかり見てください。左右を比べて、乳首の向きは同じか、乳房の大きさ、形に変化はないか、くぼみや引きつれ、変にふくらんだところはないか、乳首に湿疹やただれは見られないかなど、チェックしましょう。
Mさん:
毎日チェックが必要ですか?
野末先生:
そんなことはないですよ。毎月1回、月経が終わった日がいいですね。閉経した人は、月に1回、誕生日の日など決めて行うようにしましょう。また、見るだけでなく、触ってする自己チェックも大事ですよ(KEYWORD参照)。これは、シャワーを浴びたときなど、石けんをつけた手で行うと、すべりがよくて、わかりやすいですね。乳がんは、現在年間1万人も死んでいる病気ですが、早期発見すれば、ほぼ助かる病気なんですよ。ぜひ自己チェックを続けましょう。マンモグラフィの定期健診も忘れずにね。
Mさん:
わかりました。どうもありがとうございました。
習慣づけよう  乳がんの自己チェック
 入浴時、シャワーを浴びるときなどに行います。まずは触る方の腕を上げ、親指以外の4本の指をそろえ、指の腹を乳房にピタッとつけ、すべらせるように触っていきます。乳房の表面だけでなく、肋骨に届くくらい強く押し、奥のほうに石のような固いしこりがないか、ゆっくりと探っていきましょう。右乳房は左手で、左乳房は右手で。上は鎖骨、下は肋骨の下縁あたりまで、内側は胸骨の真ん中、外はわきの下まで、うずまきを描くように、くまなくチェックしていきます。
 今月のその他の質問
おりものとかゆみ

最近おりものが増え、かゆみがあるときも変な病気ではと、気になります
相談者 S・Oさん(31才・主婦歴4年/群馬県)
女性ホルモンの影響で、生理的なあらわれです。ただ、ニオイや色に異常があれば受診を

 おりものは、膣の分泌液と子宮頸管粘液がまざったもので、子宮頸管粘液は女性ホルモンの影響を受けて、量や粘りが変化していきます。女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があり、エストロゲンは子宮頸管粘液の分泌量を多くする働きがあります。とくに、エストロゲンが増える排卵の時期になると、おりものが流れるほど出てくる人もいます。あなたの場合も、かゆみを覚えるほどおりものが増えるというのが、月経が終わって1週間から10日すぎた頃ということですから、ちょうど排卵の時期ですね。これは、生理的なことで、あまり心配しなくても大丈夫。体が成熟してきて、ホルモン分泌が活発になってきた証しでしょう。 病気が原因の場合は、おりものに色やニオイの異常がみられます。外陰部に痛がゆい感じがあることも。このようなときは、早めに婦人科を受診することをすすめます。
冷え症

冷え症がひどくなりつらい時期です。もともと月経不順気味ですが、関係あり?何か対策は?
相談者 N・Yさん(27才・主婦歴2年/愛知県)
月経不順と冷え症は無縁ではないでしょう。ひどい場合は婦人科で相談を
 
 冷え症は男性より女性に多いですよね。これは、男性に比べ女性の方が体温が少し低いことも影響していますが、女性ならではの要因もあるのです。脳の視床下部というところは、自律神経をつかさどる働きをしていますが、同時にここは月経のリズムを調整する役割も。そのため、月経不順などがあると、自律神経のバランスも崩れやすく、それが冷えを引き起こしてしまうのです。月経不順と冷え症は無縁ではないのですね。
冷え症対策は、体を冷やさず温めることが基本。お風呂もゆっくり入り、体を温めるアロマや入浴剤を使うのもおすすめ。寝るときは、遠赤外線のマットを敷いたり、昔ながらの湯たんぽも効果的です。外出時は、マフラー、手袋や帽子などで防寒対策を。ひどい場合は婦人科に相談し、漢方薬などを処方してもらうこともいいでしょう。冷え症を改善することで、月経不順や月経痛が改善される場合もありますからね。
 
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