2007.2月号掲載
10代を中心に最近急速に増えているクラミジア、セックスでうつる病気ですが、その症状は、性器だけでなく、のどの粘膜などに感染すると扁桃炎・咽頭炎を起こすことも。また卵管に炎症を起こし不妊の原因にも。今月はぜひ知っておきたい、クラミジアを中心に、気になる女性の病気を解説します。
女性の体の悩みについて、年齢を問わず、野末先生がやさしくお答えします。下記の番号で相談を受け付けますのでご利用ください。ただし電話での相談のおりには、必ず親機をご使用ください。携帯電話や子機からの通話はご遠慮願います。また、相談はもちろん、記事に関する疑問や、日ごろ感じている素朴な疑問なども、編集部あてのお手紙、ファクス(03-5280-7431)で受け付けます。相談に対する回答は本誌上でのみ。お一人お一人へのお答えはできませんので、ご了承ください。

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血液検査でプラスに。とくに自覚症状はないのですが……
相談者 Mさん (28才・主婦歴2年/宮城県)
Mさん:
先日、ブライダルチェックを受けたら、クラミジアが陽性と出ました。とくに自覚症状はなかったのですが、だいじょうぶでしょうか?
野末先生:
クラミジアにかかると、おりものがやや増えたり、デリケートゾーンにかゆみを覚える人もいますが、多くは自覚症状があまりない、 やっかいな病気です。ただ、症状は、扁桃炎などに出ることもありますよ。
Mさん:
そういえば、扁桃炎にかかりましたが、クラミジアと何か関係があるんですか?
野末先生:
クラミジアはセックスでうつる病気、いわゆる性感染症のひとつです。その症状は性器に出るだけではありません。オーラルセックスによって、のどの粘膜に感染すると、扁桃炎や咽頭炎を起こすこともあるんです。  ところで、血液検査だけでは今も感染させる危険性があるかは不明ですが、おりもの検査もしましたか?
Mさん:
いいえ、血液検査しか受けていません。おりもの検査もしなくてはいけませんか?
野末先生:
おりもの検査で、子宮の入り口にクラミジアの病原体がいるかどうか、きちんと調べることが大切ですね。 病原体がいれば治療が必要ですが、いなければ、とくに治療する必要はありませんから。
Mさん:
夫はどうでしょう。検査が必要ですか。
野末先生:
男性はとくに検査をしなくても、女性側だけでもプラスだったら両者治療するようにしましょう。 というのも、男性は検査をしてもマイナスに出ることがあるんですね。
Mさん:
ほんとうですか。夫もとくに症状がないようなのですが。
野末先生:
男性の場合は、尿と精液の出口が同じですから、そのため菌がいても尿で流されマイナスになるのではと考えられます。また、男性はクラミジアにかかると、一般的に女性よりも症状が出やすく、尿道炎になって排尿痛を覚えたり、尿道内がむずがゆくなったりします。このような症状があったら、泌尿器科を受診しましょう。ただ、とくに症状がみられなければ、あなたの通院先の婦人科で夫の分も薬を出してくれるはずですから相談してみてごらんなさい。  いずれにしても、クラミジアはセックスでうつる病気ですから、一方だけの治療では、感染を繰り返すことになり、ちっとも治りませんよ。ふたり一緒に、同時に治療することが大切なんです。
Mさん:
治療は、どういうものですか?
野末先生:
抗生物質を飲んでもらいます。一回の服用でたいてい治ります。ただし、再検査をして、治っていることを確認してください。クラミジアは放っておくと感染が進んで、女性の場合は、卵管炎などにかかって、不妊症の原因になることもありますから、きちんと治しておくことが大切ですね。
Mさん:
クラミジアで不妊症になるのですか?
野末先生:
クラミジアによって卵管に炎症が起きると、細い卵管は、すぐに狭くなったり詰まったりするんです。 そうなると、卵子は精子と出会うことができず、当然、妊娠は成立しないことになってしまうんですね。
Mさん:
わかりました。どうもありがとうございました。
野末先生:
おだいじになさってください。
卵子と精子の出会うところ 卵管
 子宮の両脇から、卵巣を抱えるようにのびている管が卵管です。卵巣から飛び出した卵子は、子宮から上がってきた精子とここで出会います。しかし、クラミジアなどで卵管に炎症が起きると、もともと細い卵管は、狭くなったり詰まってしまいます。また、子宮内膜症で卵管に内膜症組織が増殖しても、簡単に卵管は詰まります。卵管が通っているかどうかは、卵管造影検査でわかります。
 今月のその他の質問
乳腺のう胞

乳房に乳腺のう胞が。どういうもの?怖いものではないですか?
相談者 R・Oさん(36才・主婦歴5年/群馬県)
なかに液体がたまった良性のしこりで心配ないものです

 乳腺のう胞は、乳腺のなかにできる液体のたまった袋です。良性のしこりで、乳腺症の一種といえます。乳房のしこりが気になって受診したら乳腺のう胞といわれたとのことですが、30代から50代の女性で乳房にしこりがある場合、乳腺症であることが少なくありません。確かに、乳腺症から乳がんになることはありませんが、乳がんが隠れていることもあるので、しこりが気になるときは、受診するのが賢明ですね。また、乳がん検診は欠かさず受けるようにしましょう。乳腺症は、女性ホルモンのバランスが崩れると起きやすくなります。とくに、エストロゲンが過剰に分泌される状態が長く続くと乳腺症になりやすいようです。乳腺のう胞は、良性ですから、そのままにしておいても心配ありませんが、注射でなかの液体を取る治療法もあります。
子宮頸がんとセックス

子宮頸がんはセックスでうつる?夫ともコンドームが必要?
相談者 T・Mさん(26才・主婦歴3年/埼玉県)
定期検診をきちんと受けて早期発見に努めることが一番です
 
 子宮頸がんの原因とみられているのがヒトパピロマウイルス(HPV)で、これはセックスでうつります。セックスの際に、子宮頸部のHPVに感染した細胞ががん化してしまうのです。子宮頸がんになりやすい人は、複数の相手とのセックス経験のある人や、妊娠・出産の回数が多い人と言われています。ただ、検診制度が普及してきたこともあって、子宮頸がんは早期であればほぼ100%治るがんになってきています。ですから、10代でもセックスの経験がある人は、子宮頸がんの検診を受けることをすすめます。確かに、セックスで感染するウイルスが原因ですから、夫など信頼できるパートナー以外は、コンドームで予防することは大切。しかし、定期的にがん検診を受け、早期発見に努めることが一番大切です。現在、子宮頸がんを予防するワクチンも開発中なので、予防が期待できます。
 
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