2006.12月号1月号合併掲載
子宮内膜症は、20代から40代の卵巣機能が活発に活動している時期にかかりやすい病気です。最近では性成熟期の女性のうち、10人に1人が子宮内膜症という説もあります。今月は、そんな身近な病気である子宮内膜症の治療方法についての電話相談を実況中継!
女性の体の悩みについて、年齢を問わず、野末先生がやさしくお答えします。下記の番号で相談を受け付けますのでご利用ください。ただし電話での相談のおりには、必ず親機をご使用ください。携帯電話や子機からの通話はご遠慮願います。また、相談はもちろん、記事に関する疑問や、日ごろ感じている素朴な疑問なども、編集部あてのお手紙、ファクス(03-5280-7431)で受け付けます。相談に対する回答は本誌上でのみ。お一人お一人へのお答えはできませんので、ご了承ください。

相談日は毎月 第1水曜日10時〜13時!
(祝日の場合、年末年始はお休み)
女性のからのだの悩みについて、年齢を問わず野末先生がやさしくお答えします。左の番号で相談を受け付けますので、悩みのある人はご利用下さい。ただし、携帯電話、固定電話子機からの通話は御遠慮願います。
※婦人科以外のご相談はご遠慮ください。また、相談日は電話がかかりにくいことがありますので、ご了承ください。
 
「子宮内膜症と診断され、薬を使っています。 でも副作用がつらく、子どもも欲しいので、 手術をしたほうがいいかと迷っています」
相談者 Mさん (30才 埼玉県 主婦歴4年)
Mさん:
卵巣に子宮内膜症があるとわかり、4カ月前からスプレキュアという点鼻薬を使った治療を続けています。この薬で問題ないのでしょうか?
野末先生:
子宮内膜症の治療には、薬物療法と手術があります。薬物療法には、漢方薬などを使う方法もありますが、ホルモン剤によるものが一般的です。このうち、スプレキュアを使用した治療法は、偽閉経療法といって、一時的に閉経状態にする薬を4〜6カ月程度投与する方法。点鼻薬タイプのものではナサニールという薬もあります。また注射薬タイプのリューブリンなどを使う場合もありますが副作用もあります。
Mさん:
最近、のぼせやイライラなどの症状がみられるのですが、これは薬の副作用ですか?
野末先生:
そうですね。治療で使うホルモン剤は、月経を止めて一時的な閉経状態にする働きのあるもの。月経がなければ、患部が徐々に小さくなっていき、症状が軽くなるということを期待しているわけです。そのため、どうしても更年期のような症状が副作用として出てしまう場合が多いのです。
Mさん:
薬を変えたら、副作用は緩和されるのでしょうか

野末先生:
副作用には個人差がありますから、医師に相談してみるといいでしょう。どちらにせよ、この治療法は長くできるものではありません。更年期のような状態になるので、骨への悪影響なども心配です。そのため、数カ月と期間を区切って行うわけです。

Mさん:
子どもも欲しいので、この治療を続けて、妊娠できるのか、不安になります。
野末先生:
確かに、治療を行っている間は、妊娠の可能性がかなり低くなります。今回、6カ月間の治療後、妊娠にトライしてみて、むずかしいようでしたら、腹腔鏡下手術を考えてみてもいいと思いますよ。
Mさん:
手術をしたら、妊娠しにくくなるということはないのですか?
野末先生:
妊娠を望む場合、薬物治療だけで改善しないときには、早めに手術をしたほうが、妊娠の可能性が高くなるといわれています。それに手術といっても、妊娠を望む人には、患部だけを取り除く手術を行うようになっています。腹腔鏡下手術ですから、負担も少ないでしょう。
Mさん:
腹腔鏡下手術というのは、負担が少ない手術法なのですか?
野末先生:
おなかに小さな穴を3カ所ほど開けて、そこから器具を入れ、モニターで見ながら行う手術法です。子宮内膜症の場合は、確定診断の検査と治療を兼ねて行うことも少なくありません。ただし、それなりの技術を要する手術法ですから、実績があり、整った設備と人材のいる施設で受けることをおすすめします。
Mさん:
わかりました。どうもありがとうございました。
野末先生:
お大事になさってください。
 「チョコレート嚢腫」
 子宮の内膜をおおっている子宮内膜組織と同じような組織が、卵巣や腹、主に膣内のいろいろな部位で育ってしまう病気を子宮内膜症といいます。このうち、卵巣にできたものを、古い血液がたまった様子から「チョコレート嚢腫」と呼んでいます。子宮内膜組織ですから女性ホルモンに反応し、月経周期に応じて増殖と出血を繰り返すわけですが、月経血のように体外へ出ることができません。その結果、卵巣であれば、袋の中にたまるなどして、さまざまな障害を起こします。とくに、内膜症の組織は周囲の組織と癒着しやすく、癒着の程度が強いほど、月経痛や下腹痛が強く不妊の原因となります。薬物治療のほか、早い時期なら腹腔鏡下手術で病変部だけを取り除くことが可能ですが、大きくなっていたり、癒着がひどい場合は開腹手術となります。
 今月のその他の質問
バルトリン腺炎
一度切開したのに、また腫れてきました。治っていない?

 一度バルトリン腺炎で切開したのに、また同じところが腫れてきました。治っていないということですか?     (埼玉県/O・Sさん 26才)
バルトリン腺炎の再発は少なくありません。熱や痛みがなければ、様子をみていて大丈夫

  バルトリン腺は、膣の入り口の外側、大陰唇の後方にある粘液を分泌する腺です。そこに菌が入って炎症を起こしたものを、バルトリン腺炎といいます。炎症が起きると、腺の出口がふさがり、分泌液がたまって嚢胞ができます。
  炎症が進むと、嚢胞に膿がたまって腫れ、痛みや熱も覚えるようになります。抗生物質や消炎剤でおさまらない場合は、切開して膿を出すことで治します。   ただ、バルトリン腺は感染しやすい場所にあるうえ、嚢胞は残ったままなので、また炎症を起こし、再発を繰り返す人は少なくありません。 根治手術としては、全身状態がよいときに嚢胞自体を取り除く方法もあり、この場合は入院が必要となる場合もあります。 しかし、とくに悪い病気というわけではないので、急激に大きくなることもなく、熱や痛みでつらくなければ、しばらく様子をみていて心配ないでしょう。
排卵日検査薬
排卵日がわかる検査薬があるそうですが、性能はどうですか?

 基礎体温をつけ、排卵日にチャンスを待つようにしていますが妊娠しません。検査薬もあるそうですが性能は?
(静岡県/Y・Iさん 27才)
LHとエストロゲンの両方を調べるタイプのほうが、より正確でしょう
 
  妊娠しやすい時期は、排卵日の数日前頃から排卵日の翌日くらいまでといわれており、とくに排卵日の前日と排卵日当日は可能性がより高くなります。妊娠を望む場合は、このチャンスを待つのがベストです。しかし、基礎体温をつけているだけでは、排卵日の頃、体温が下がるとはいえ、その前日までは予測できません。まして、基礎体温をつけても排卵日がはっきりわからない人は困ってしまうでしょう。
その点、排卵日検査薬を使うと、かなり正確に排卵日がわかります。多くは、排卵日に急激に分泌がふえる、尿中のLH(黄体化ホルモン)を調べるタイプです。LHだけでなくエストロゲンも調べる検査薬もあります。エストロゲンはLHよりも先にふえていきますから、このタイプだと、より正確に排卵日を知ることができるでしょう。一度、婦人科で相談してみてはいかがですか。

 
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