2006.3月号掲載
現在、ピルといえば低用量ピルが主流です。低用量なので含まれるホルモン量が少なく、副作用もほとんどありません。今月は、ピルを使っている方からの電話相談を実況中継!
女性の体の悩みについて、年齢を問わず、野末先生がやさしくお答えします。下記の番号で相談を受け付けますのでご利用ください。ただし電話での相談のおりには、必ず親機をご使用ください。携帯電話や子機からの通話はご遠慮願います。また、相談はもちろん、記事に関する疑問や、日ごろ感じている素朴な疑問なども、編集部あてのお手紙、ファクス(03-5280-7431)で受け付けます。相談に対する回答は本誌上でのみ。お一人お一人へのお答えはできませんので、ご了承ください。

相談日は毎月 第1水曜日10時〜13時!
(祝日の場合、年末年始はお休み)
女性のからのだの悩みについて、年齢を問わず野末先生がやさしくお答えします。左の番号で相談を受け付けますので、悩みのある人はご利用下さい。ただし、携帯電話、固定電話子機からの通話は御遠慮願います。
※婦人科以外のご相談はご遠慮ください。また、相談日は電話がかかりにくいことがありますので、ご了承ください。
 
「ピルを飲んでいるのに 出血が。 避妊効果に問題はない?」
相談者 Fさん(23才 東京都 主婦歴1年)
Fさん:
ニキビ治療と避妊をかねて、低用量ピルを飲んでいます。ところが先日、出血が……
ピルを飲んでいるのに、そんなことって、あるのでしょうか?
野末先生:
ピルは経口避妊薬ですが、月経不順や月経痛の治療に用いられたり、ニキビの治療などにも使われています。確かに、ピルを飲んでいる間は、排卵が抑えられて、月経は来ないものですが、低用量ピルは、含まれているホルモンの量が少ないので、あなたのように服用中に出血する場合もあります。
Fさん:
避妊薬としての効き目が弱いのではと、心配になってしまうのですが……
野末先生:
低用量といっても、それまでの中用量や高用量のピルに比べてホルモンの量が少ないという意味ですよ。
Fさん:
すると、避妊効果には問題ないということですか?
野末先生:
そうですね。ピルにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類の女性ホルモンが含まれています。ピルを飲むことで、血液中のこれらのホルモン量が増え、その情報が脳にある視床下部というところに伝えられて、排卵を抑える効果を引き出すわけです。通常だと、月経の後に、着床の準備をするために子宮内膜が厚くなりますが、ピルの働きで、子宮内膜はあまり厚くならず、着床の準備ができません。万が一、排卵して受精したとしても、着床は困難になります。そのうえ、プロゲステロンにより、子宮頸管粘液が濃く粘り気が強くなるので、子宮の入り口がふたをされたようになり、精子は子宮のなかに入りにくくなります。このように、さまざまな働きが重なって、ピルの避妊効果を確かなものにしているのです。低用量のピルも、ほぼ100%の避妊効果があるといわれています。
Fさん:
安心しました。ただ、何か病気で出血したということはありませんか?
野末先生:
月経でないのに出血がある場合、子宮や卵巣などの病気や、ホルモンの異常など、さまざまな原因が考えられます。外陰部にかゆみなど他の症状があれば、腟炎や性感染症が疑われますし、セックスの後に出血したなら、子宮腟部びらんなどが考えられますね。
Fさん:
そういえば、出血があったのは、セックスをした翌朝からでした?
野末先生:
それなら、子宮腟部びらんなどが疑われます。でも、これらは、成熟期の女性の8割〜9割にみられるもので、とくに治療の必要はありません。心配であれば、念のため、婦人科でがん検診を受診すると安心ですね。
Fさん:
わかりました。どうもありがとうございました。
 「子宮腟部びらん」
 「びらん」というのは、皮膚や粘膜がただれた状態のことを指します。子宮の入り口の腟で、とび出している部分の子宮口付近が赤くただれているようにみえる状態を「子宮腟部びらん」といいます。セックスの刺激やタンポン使用によって出血することがありますが、成人女性の多くにみられ、とくに治療の対象とはなりません。ただし、びらんのある箇所は、子宮頸がんができやすいので、定期的な検診を受けることが大切です。なお、よく出血して気になるような場合は、薬のほか、レーザー治療や電気凝固、冷凍凝固などで治療することも可能です。
 今月のその他の質問
育児など、やる気が起きずうつ状態が続いています……

 1カ月前に出産。産後すぐから精神的に不安定で、今も育児や家事などやる気が起きず母に手伝ってもらっています……
(千葉県 W・Iさん 28才)
産後は、だれしも精神的に不安定になりがち。
ただし、長引くようなら専門医へ。

 
 産後は、ホルモンの分泌に大きな変化が起こり、産婦さんは心身ともにその影響を受けます。とくに初めてのお産の場合は、慣れない育児がストレスとなって、情緒不安定になりがちです。
 わけもなく涙が出たり、イライラしたりといった状態は、産後しばらく続きます。あなたのように、退院して家に戻ったころ、そのピークに達する人が多いもの。入院中は、病院のスタッフがそばにいますが、退院すると赤ちゃんの世話は全部自分でやらなければと思ってプレッシャーになるのです。
 産後1カ月は、ご主人やお母さんなど周囲の人の手を借り、無理せず体の回復に努めましょう。体調をみながら、最初のうちは育児だけ、家事などは徐々にできることからやっていけばいいのです。
 ただし、なかなかうつ状態から抜け出せないときは、心療内科などの専門医に相談してください。
タバコを吸っているとホルモン治療はできない?

 月経不順で婦人科へ行ったら、タバコを吸っているならホルモン剤は使えないと言われました。ホントですか?
(大阪府 H・Mさん 31才)
タバコは血管を収縮させる作用があり、
喫煙者はピルやホルモン剤の長期使用はNG

 
 月経不順の治療で、ピルや女性ホルモン剤を使うと改善される場合がよくあります。しかし、女性ホルモン剤の副作用は血栓を作りやすいという点。血栓とは、血管の内にできる血のかたまりのことで、それが原因で起きる病気に心筋梗塞や脳梗塞があります。つまり血栓症のリスクが高い人はホルモン剤の治療は避けなければいけません。
 タバコには、血管を収縮させて血液の流れを悪化させる作用があり、血栓ができやすくなります。タバコを吸っている人は、そのリスクが高まるので、長期のホルモン治療ができないのです。また、本人はもちろん、家族に血栓症の人がいる場合も同様です。
 タバコは百害あって一利なし。がんや生活習慣病の原因になる上、最近では、歯周病を引き起こすことがわかっています。美容にもよくありません。禁煙すれば、ホルモン治療も受けられます。がんばってやめましょう。
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